バイデン大統領初来日【英語で読もう世界のニュースVol.2】

5月22日から24日までの3日間、アメリカのバイデン大統領が就任後初めて日本に訪れました。
トランプ前大統領がTPP離脱を宣言してから5年、現大統領であるバイデン氏はアジア諸国との連携強化を目指し、新たな枠組みを立ち上げました。

今回の初来日では「どのような政治的意味があったのか」「新しい枠組みの狙いは何か」など世界から見た日本について英語ニュースを通して紹介します

このように英語で読もう世界のニュースシリーズでは、世界のニュースを翻訳機を使わずに読めるように、記事の概要と難しい英語の表現を紹介しています。世界情勢や科学・テクノロジーについて理解を深めながら、英語を学んでいきましょう。

概要: バイデン氏、インド太平洋貿易協定を発表、インフレに警鐘 – FOX31 Denver

  • バイデン大統領はインド太平洋地域(Indo-Pacific nations)の12カ国と経済強化を目的とした新しい枠組み(IPEF)[1]Indo-Pacific Economic Framework (インド太平洋経済枠組み): 2021年10月に行われた東アジアサミットでバイデン大統領が初めて提唱した経済圏構想。を開始する一環で来日。参加国は米国と合わせてGDP[2]Gross Domestic Product (国内総生産): 国内で一年間に新たに生み出されたモノやサービスの総額。の約40%を占める。
  • 貿易協定(trade deal)は北朝鮮問題、コロナ渦やロシアによるウクライナ侵攻などにより混乱の絶えないアジアの経済圏に対する米国の影響力を示し、商業の安定化を目指すためのもの。急成長を続ける中国へのけん制の意味合いも強い。
  • 貿易協定の締結で高いインフレを心配する米国内の声に対し、安心感を得るまでに「長い時間がかかるだろう」と警告を発した。しかし大統領は米国で経済不況(economic recession)が避けられないとは考えていない。
  • またバイデン氏は岸田首相との会談後の記者会見でアメリカ経済が問題を抱えていることを認めたが、「世界の国々が抱えているほど重大ではない」と述べた。

IPEFへの参加国

以下の計13カ国がIPEFへの参加を表明した。

  • アメリカ the United States
  • オーストラリア Australia TPP
  • ブルネイ Brunei TPP
  • インド India
  • インドネシア Indonesia
  • 日本 Japan
  • 韓国 South Korea
  • マレーシア Malaysia TPP
  • ニュージーランド New Zealand TPP
  • フィリピンPhilippines
  • シンガポール Singapore TPP
  • タイ Thailand
  • ベトナム Vietnam TPP

枠組みの効果

アメリカとアジアの経済に対して以下のような問題に対して密接に取り組むことに役立つとされる。

  • サプライチェーン(supply chains): 商品が生産されてから消費されるまでの一連の経済活動。
  • デジタル貿易(digital trade): インターネットを利用して国境を越えたモノ・サービスの取引のこと
  • クリーンエネルギー: 地球温暖化の原因とされるCO2の排出量がない、あるいは環境に影響がないとされるほど少ないエネルギー。太陽光や風力により得られる再生可能エネルギー(renewable energy)もクリーンエネルギーの一部。
  • 労働者保護(worker protection): 劣悪な労働条件の是正。
  • 腐敗防止(anticorruption): 汚職や収賄を防ぐこと。

日本の反応

岸田首相は米国との関係を強化し、個人的な関係を気づきたいと考えている。会談では、バイデン氏を東京に迎えることができ、「本当にうれしい」と述べた。また、ウクライナへの侵攻を続けるロシアに対し「世界秩序の基盤を損なうもの」と厳しい姿勢。

批評家たちの意見

米国の関税を引き下げることは、参加国にインセンティブを与えることにはならず、米国市場への参入拡大を促進することはない。またアジアにとって最大の貿易相手国である中国がTPP[3]Trans-Pacific Partnership Agreement (環太平洋パートナーシップ協定): … Continue reading参加を模索しており、魅力的な選択肢にはなりえないかもしれない。

Terminology

Terminology
1 Indo-Pacific Economic Framework (インド太平洋経済枠組み): 2021年10月に行われた東アジアサミットでバイデン大統領が初めて提唱した経済圏構想。
2 Gross Domestic Product (国内総生産): 国内で一年間に新たに生み出されたモノやサービスの総額。
3 Trans-Pacific Partnership Agreement (環太平洋パートナーシップ協定): アジア太平洋地域でモノ・サービス・投資・知的財産などの幅広い分野に渡り12カ国が参加した経済連携協定。2017年1月に米国が離脱したのち、新たにTPP11が合意、発行された。

Picked up 英会話

Along with ~: ~に加えて

Along with the United States, they represent 40% of world GDP.

アメリカに加えて、それらは世界のGDPの40%を占める。

alongは直訳すると「…に沿って」という意味です。前にgetをつけてget alongにすれば「(なんとか)うまくやっていく、仲良くする」という意味になります。
例: “Can’t you two just try to get along?” (あなたたち二人は少しは仲良くできないの?)

make it difficult: 困難にする

The details still need to be negotiated among the member countries, making it difficult for the administration to say how this agreement would fulfill the promise of helping U.S. workers and businesses while also meeting global needs.
詳細は加盟国間で交渉される必要があり、この協定がどのように米国の労働者や企業を支援し、世界の需要を満たすのかについて、政権が述べることは難しい。

“make it difficult for someone to~” で「someoneが~することを困難にする/~するまでには至らない」といった意味になります。makeがあるので「~させる」の意味が含まれています。本文中では「詳細は交渉される必要がある」ことが「政権が述べることを難しくさせている」といったニュアンスで使われています。

consequential: (社会的に)重要な

Biden, speaking at a news conference after holding talks with Japan’s Prime Minister Fumio Kishida, acknowledged the U.S. economy has “problems” but said they were “less consequential than the rest of the world has.”
バイデン氏は日本の岸田文雄首相との会見後の記者会見で米国経済には「問題」があることを認めたが「世界のほかの地域ほど重要ではない」と述べた。

consequentialは(ある現象や原因の)「結果として生じる/結果的な」という意味が根幹にあります。したがって「何か必然的な結果」が転じて、すなわち「重要な」という用法で使われます。importantと同じ意味ですがよりこちらのほうがよりフォーマルな単語になります。

記事の全文は以下のサイトになります。ぜひこのページと照らし合わせながら読んでみましょう。

その他、参考リンク

ご覧いただきありがとうございました。IPEFについてさらに知りたい方は以下のBBCやホワイトハウスのサイトをご覧ください。


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