数学で使う海外の文字・書体をLaTeXで入力する方法【ギリシャ文字、オープンフェイス、ヘブライ文字、ドイツ文字】

本格的に数学や物理を学ぼうとすると沢山の見慣れない文字に出会うと思います。書籍を見ながらノートに書くことはできると思いますが、論文や資料作成の際の入力方法がわからないという人もいるのではないでしょうか?

本記事では、数学でよくみる文字について「LaTeXやTeXでどのように入力するか」「実際にどのように読むか」を紹介します。

ギリシャ文字 Greek symbols

\Gamma \Delta \Theta \Lambda \Xi \Pi \Sigma \Upsilon \Phi \Chi \Psi \Omega \\
\alpha \beta \gamma \delta \epsilon \varepsilon \zeta \eta \theta \vartheta \iota \kappa \lambda \mu \nu \xi \pi \varpi \rho \sigma \varsigma \tau \upsilon \phi \chi \psi \omega \\

\TeX\LaTeXでは、英語のギリシャ文字名の先頭にバックスラッシュ(\)をつけることでギリシャ文字を表示できます。また、\の後に先頭の1文字を大文字で書き始めればギリシャ文字の大文字に、小文字で書き始めればギリシャ文字の小文字になります
例: \Pi\Pi, \pi\pi

\LaTeXCapital Letter
大文字
Small Letter
小文字
発音
\Alpha\Alpha\alphaアルファ
\Beta\Beta\betaベータ
\Gamma\Gamma\gammaガンマ
\Delta
(\partial)
\Delta\delta
(\partial)
デルタ
(パーシャル 後述)
\Epsilon
(\varepsilon)
\Epsilon\epsilon
(\varepsilon)
イプシロン
\Zeta\Zeta\zetaゼータ
\Eta\Eta\etaイータ
\Theta
(\vartheta)
\Theta\theta
(\vartheta)
シータ
\Iota\Iota\iotaイオータ
\Kappa\Kappa\kappaカッパ
\Lambda\Lambda\lambdaラムダ
\Mu\Mu\muミュー
\Nu\Nu\nuニュー
\Xi\Xi\xiクシー
\Omicron\Omicron\omicronオミクロン
\Pi
(\varpi)
\Pi\pi
(\varpi)
パイ
\Rho\Rho\rhoロー
\Sigma
(\varsigma)
\Sigma\sigma
(\varsigma)
シグマ
\Tau\Tau\tauタウ
\Upsilon\Upsilon\upsilonウプシロン
\Phi
(\varphi)
\Phi\phi
(\varphi)
ファイ
\Chi\Chi\chiカイ
\Psi\Psi\psiプシー
プサイ
\Omega\Omega\omegaオメガ

\Alpha, \Beta, \Epsilon, \Zeta, \Eta, \Iota, \Kappa, \Mu, \Nu, \Omicron (\omicron), \Rho, \Tau, \Chiは英語のアルファベットと判別がつかないので、数学などの分野で使われることはまずありません。一部のTeX系はそもそも\Alphaと書くとエラーが出ます。

ΑΒΓΔΕΖΗΘΙΚΛΜΝΞΟΠΡΣΤΥΦΧΨΩ
αβγδεζηθικλμνξοπρςστυφχψω

Capital LetterUnicodeSmall LetterUnicode
ΑU+0391αU+03B1
ΒU+0392βU+03B2
ΓU+0393γU+03B3
ΔU+0394δU+03B4
ΕU+0395εU+03B5
ΖU+0396ζU+03B6
ΗU+0397ηU+03B7
ΘU+0398θU+03B8
ΙU+0399ιU+03B9
ΚU+039AκU+03BA
ΛU+039BλU+03BB
ΜU+039CμU+03BC
ΝU+039DνU+03BD
ΞU+039EξU+03BE
ΟU+039FοU+03BF
ΠU+03A0πU+03C0
ΡU+03A1ρU+03C1
ςU+03C2
ΣU+03A3σU+03C3
ΤU+03A4τU+03C4
ΥU+03A5υU+03C5
ΦU+03A6φU+03C6
ΧU+03A7χU+03C7
ΨU+03A8ψU+03C8
ΩU+03A9ωU+03C9

ここからは、ギリシャ文字を「ボールド」「イタリック」「ボールドイタリック」で表示する方法を紹介します。一つ注意していただきたいのは、アルファベットと見分けのつかない(TeXでサポートされていない)ギリシャ文字は以下の方法で書体を変えることができません。アルファベットの書体を変える方法は本記事の後半の「書体」にて説明しています。

ボールド Bold Greek symbols

LaTeXで、ギリシャ文字を太文字にしたいときは\boldsymbol{}を使います。
例: \Omega(\Omega)→\boldsymbol{\Omega}(\boldsymbol{\Omega})

\boldsymbol{\alpha \beta \gamma \delta \epsilon \zeta \eta \theta \iota \kappa \lambda \mu \nu \xi \omicron \pi \rho \sigma \tau \upsilon \phi \xi \psi \omega} \\
\boldsymbol{\Gamma \Delta \Theta \Lambda \Xi \Rho \Sigma \Upsilon \Phi \Xi \Psi \Omega} \\
\boldsymbol{\Alpha \Beta \Epsilon \Zeta \Eta \Iota \Kappa \Mu \Nu \Omicron \Rho \Tau}


Unicode: U+1D6A8 ~ U+1D6E1
𝚨𝚩𝚪𝚫𝚬𝚭𝚮𝚯𝚰𝚱𝚲𝚳𝚴𝚵𝚶𝚷𝚸𝚹𝚺𝚻𝚼𝚽𝚾𝚿𝛀𝛁
𝛂𝛃𝛄𝛅𝛆𝛇𝛈𝛉𝛊𝛋𝛌𝛍𝛎𝛏𝛐𝛑𝛒𝛓𝛔𝛕𝛖𝛗𝛘𝛙𝛚𝛛𝛜𝛝𝛞𝛟𝛠𝛡

Unicode nameCapital LetterUnicodeSmall LetterUnicode
Alpha𝚨U+1D6A8𝛂U+1d6C2
Beta𝚩U+1D6A9𝛃U+1D6C3
Gamma𝚪U+1D6AA𝛄U+1D6C4
Delta𝚫U+1D6AB𝛅
(𝛛)
U+1D6C5
(U+1D6DB)
Epsilon𝚬U+1D6AC𝛆
(𝛜)
U+1D6C6
(U+1D6DC)
Zeta𝚭U+1D6AD𝛇U+1D6C7
Eta𝚮U+1D6AE𝛈U+1D6C8
Theta𝚯
(𝚹)
U+1D6AF
(U+1D6B9)
𝛉
(𝛝)
U+1D6C9
(U+1D6DD)
Iota𝚰U+1D6B0𝛊U+1D6CA
Kappa𝚱U+1D6B1𝛋
(𝛞)
U+1D6CB
(U+1D6DE)
Lamda𝚲U+1D6B2𝛌U+1D6CC
Mu𝚳U+1D6B3𝛍U+1D6CD
Nu𝚴U+1D6B4𝛎U+1D6CE
Xi𝚵U+1D6B5𝛏U+1D6CF
Omicron𝚶U+1D6B6𝛐U+1D6D0
Pi𝚷U+1D6B7𝛑
(𝛡)
U+1D6D1
(U+1D6E1)
Rho𝚸U+1D6B8𝛒
(𝛠)
U+1D6D2
(U+1D6E0)
Sigma𝚺U+1D6BA𝛓
𝛔
U+1D6D3
U+1D6D4
Tau𝚻U+1D6BB𝛕U+1D6D5
Upsilon𝚼U+1D6BC𝛖U+1D6D6
Phi𝚽U+1D6BD𝛗
(𝛟)
U+1D6D7
(U+1D6DF)
Xi𝚾U+1D6BE𝛘U+1D6D8
Psi𝚿U+1D6BF𝛙U+1D6D9
Omega𝛀U+1D6C0𝛚U+1D6DA
Nabla(後述)(𝛁)U+1D6C1

イタリック Italic Greek symbols

LaTeX で、ギリシャ文字をイタリックにしたいときは\mathit{}を使います。
例: \Omega(\Omega)→\mathit{\Omega}(\mathit{\Omega})

\mathit{\alpha \beta \gamma \delta \epsilon \zeta \eta \theta \iota \kappa \lambda \mu \nu \xi \omicron \pi \rho \sigma \tau \upsilon \phi \xi \psi \omega} \\
\mathit{\Gamma \Delta \Theta \Lambda \Xi \Rho \Sigma \Upsilon \Phi \Xi \Psi \Omega} \\
\mathit{\Alpha \Beta \Epsilon \Zeta \Eta \Iota \Kappa \Mu \Nu \Omicron \Rho \Tau}

Unicode: U+1D6E2 ~ U+1D71B
𝛢𝛣𝛤𝛥𝛦𝛧𝛨𝛩𝛪𝛫𝛬𝛭𝛮𝛯𝛰𝛱𝛲𝛳𝛴𝛵𝛶𝛷𝛸𝛹𝛺𝛻
𝛼𝛽𝛾𝛿𝜀𝜁𝜂𝜃𝜄𝜅𝜆𝜇𝜈𝜉𝜊𝜋𝜌𝜍𝜎𝜏𝜐𝜑𝜒𝜓𝜔𝜕𝜖𝜗𝜘𝜙𝜚𝜛

NameCapital LetterUnicodeSmall LetterUnicode
Alpha𝛢U+1D6E2𝛼U+1D6FC
Beta𝛣U+1D6E3𝛽U+1D6FD
Gamma𝛤U+1D6E4𝛾U+1D6FE
Delta𝛥U+1D6E5𝛿
(𝜕)
U+1D6FF
(U+1D715)
Epsilon𝛦U+1D6E6𝜀
(𝜖)
U+1D700
(U+1D716)
Zeta𝛧U+1D6E7𝜁U+1D701
Eta𝛨U+1D6E8𝜂U+1D702
Theta𝛩
(𝛳)
U+1D6E9
(U+1D6EF3)
𝜃
𝜗
U+1D703
(U+1D717)
Iota𝛪U+1D6EA𝜄U+1D704
Kappa𝛫U+1D6EB𝜅
𝜘
U+1D705
(U+1D718)
Lamda𝛬U+1D6EC𝜆U+1D706
Mu𝛭U+1D6ED𝜇U+1D707
Nu𝛮U+1D6EE𝜈U+1D708
Xi𝛯U+1D6EF𝜉U+1D709
Omicron𝛰U+1D6F0𝜊U+1D70A
Pi𝛱U+1D6F1𝜋
(𝜛)
U+1D70B
(U+1D71B)
Rho𝛲U+1D6F2𝜌
(𝜚)
U+1D70C
(U+1D71A)
Sigma𝛴U+1D6F4𝜍
𝜎
U+1D70D
U+1D70E
Tau𝛵U+1D6F5𝜏U+1D70F
Upsilon𝛶U+1D6F6𝜐U+1D710
Phi𝛷U+1D6F7𝜑
𝜙
U+1D711
(U+1D)
Chi𝛸U+1D6F8𝜒U+1D712
Psi𝛹U+1D6F9𝜓U+1D713
Omega𝛺U+1D6FA𝜔U+1D714
𝛻U+1D6FB

ボールドイタリック Bold Italic Greek symbols

LaTeX で、ギリシャ文字をボールドで且つイタリックにしたいときは\bm{}を使います。
例: \Omega(\Omega)→\bm{\Omega}(\bm{\Omega})

\bm{\alpha \beta \gamma \delta \epsilon \zeta \eta \theta \iota \kappa \lambda \mu \nu \xi \omicron \pi \rho \sigma \tau \upsilon \phi \xi \psi \omega} \\
\bm{\Gamma \Delta \Theta \Lambda \Xi \Rho \Sigma \Upsilon \Phi \Xi \Psi \Omega} \\
\bm{\Alpha \Beta \Epsilon \Zeta \Eta \Iota \Kappa \Mu \Nu \Omicron \Rho \Tau}

Unicode: U+1D71C ~ U+1D755
𝜜𝜝𝜞𝜟𝜠𝜡𝜢𝜣𝜤𝜥𝜦𝜧𝜨𝜩𝜪𝜫𝜬𝜭𝜮𝜯𝜰𝜱𝜲𝜳𝜴𝜵
𝜶𝜷𝜸𝜹𝜺𝜻𝜼𝜽𝜾𝜿𝝀𝝁𝝂𝝃𝝄𝝅𝝆𝝇𝝈𝝉𝝊𝝋𝝌𝝍𝝎𝝏𝝐𝝑𝝒𝝓𝝔𝝕

NameCapital LetterUnicodeSmall LetterUnicode
Alpha𝜜U+1D71C𝜶U+1D736
Beta𝜝U+1D71D𝜷U+1D737
Gamma𝜞U+1D71E𝜸U+1D738
Delta𝜟U+1D71F𝜹
(𝝏)
U+1D739
(U+1D74F)
Epsilon𝜠U+1D720𝜺
(𝝐)
U+1D73A
(U+1D750)
Zeta𝜡U+1D721𝜻U+1D73B
Eta𝜢U+1D722𝜼U+1D73C
Theta𝜣
(𝜭)
U+1D723
(U+1D72D)
𝜽
(𝝑)
U+1D73D
(U+1D751)
Iota𝜤U+1D724𝜾U+1D73E
Kappa𝜥U+1D725𝜿
(𝝒)
U+1D73F
(U+1D752)
Lamda𝜦U+1D726𝝀U+1D740
Mu𝜧U+1D727𝝁U+1D741
Nu𝜨U+1D728𝝂U+1D742
Xi𝜩U+1D729𝝃U+1D743
Omicron𝜪U+1D72A𝝄U+1D744
Pi𝜫U+1D72B𝝅
(𝝕)
U+1D745
(U+1D755)
Rho𝜬U+1D72C𝝆
(𝝔)
U+1D746
(U+1D754)
Sigma𝜮U+1D72E𝝇
𝝈
U+1D747
U+1D748
Tau𝜯U+1D72F𝝉U+1D749
Upsilon𝜰U+1D730𝝊U+1D74A
Phi𝜱U+1D731𝝋
(𝝓)
U+1D74B
(U+1D753)
Chi𝜲U+1D732𝝌U+1D74C
Psi𝜳U+1D733𝝍U+1D74D
Omega𝜴U+1D734𝝎U+1D74E
𝜵U+1D735

総和・総乗 Sum & Product

総和 Summation \sum総乗 production \prodの文字が\Sigma(\Sigma) や\Pi(\Pi) に似ているからといって、総和や総乗の時に\Sigma, \Pi と書くは混乱を招くのでやめましょう。

総和を表すときは、英語のSummation を略して\sumと書きます。

\sum_{n=1}^{\infty} 2^{-n} = 1

\sum_{n=1}^{\infty} 2^{-n} = 1

総乗を表すときは、英語のProduction を略して\prodと書きます。

\prod_{i=a}^{b} f(i)

\prod_{i=a}^{b} f(i)

重複順列 Permutation with repetition

反対に、順列 {}_n \mathrm{P}_rや重複順列 {}_n \Pi_rはアルファベットのPやギリシャ文字のパイをそのまま使います({}_n P_r, {}_n \Pi_r)。

慣習として、Pやパイがイタリックにならないように\mathrm{}を使ってローマン体として表すこともあります。
例:
{}_n P_r → {}_n \mathrm{P}_r ({}_n \mathrm{P}_r)
{}_n \Pi_r → {}_n \mathrm{\Pi}_r) ({}_n \mathrm{\Pi}_r)

偏微分 Partial Derivative

ナブラ\nabla(\nabra)やパーシャル\partial(\partial)は、形がギリシャ文字と似ていることからUnicode ではギリシャ文字と一緒に登録されています。
とは言っても、ただ登録番号が近いだけなのでLaTeXでもUnicodeでも使い方は他のギリシャ文字などのシンボルと同じです。

\begin{aligned}
\nabla \cdot \mathbf{D} &= \rho \\
\nabla \cdot \mathbf{B} &= 0 \\
\nabla \times \mathbf{E} &= - \frac{\partial \mathbf{B}}{\partial t} \\
\nabla \times \mathbf{H} &= \frac{\partial \mathbf{D}}{\partial t} + \mathbf{J}
\end{aligned}
\begin{aligned}
\nabla \cdot \mathbf{D} &= \rho \\
\nabla \cdot \mathbf{B} &= 0 \\
\nabla \times \mathbf{E} &= - \frac{\partial \mathbf{B}}{\partial t} \\\nabla \times \mathbf{H} &= \frac{\partial \mathbf{D}}{\partial t}+\mathbf{J}
\end{aligned}

オープンフェイス Double-struck

\mathbb{ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ} \\
\mathbb{k} \\

集合を表す文字は、ℝ, ℕ, ℤのように線が二重にした字体(オープンフェイス Double stroke/struck)で表記されることが多いです。
LaTeXなどの場合は\R\Qのように書けますが、TeXは対応していないので\mathbb{}の中に文字を入れましょう。bbはBlackboard Bold(黒板太字)の略です。[1]bbbじゃんとか言わないでください。僕もよくわかりません。


LaTeX: \R\R
TeX: \mathbb{R}\mathbb{R}

\LaTeXSymbolName意味
\R
\mathbb{R}
\RReal numbers実数の集合
\C, \Complex
\mathbb{C}
\ComplexComplex numbers複素数の集合
\Q
\mathbb{Q}
\mathbb{Q}Rational numbers
Quotient (商)
有理数の集合
\Z
\mathbb{Z}
\ZIntegers
ganze Zahlen 🇩🇪
整数の集合
\N
\mathbb{N}
\NNatural numbers自然数の集合
\emptyset
\varnothing
\emptyset
\varnothing
Empty set空集合
SymbolUnicode
U+211D
U+2102
U+211A
U+2124
U+2115
U+2205

その他の集合の表し方

書籍によっては、集合を表すこれらの文字がボールド表記で表記されることがあります。
例: \mathbf{R}, \mathbf{C}, \mathbf{Q}, \mathbf{Z}, \mathbf{N}
LaTeX: \mathbf{R}, \mathbf{C}, \mathbf{Q}, \mathbf{Z}, \mathbf{N}

ボールドで且つイタリックに表示したい方は\bm{}\boldsymbol{}を使いましょう。
例: \bm{R}, \bm{C}, \bm{Q}, \bm{Z}, \bm{N}
LaTeX: \bm{R}, \bm{C}, \bm{Q}, \bm{Z}, \bm{N}

ボールド

  • 𝐑: U+1D411
  • 𝐂: U+1D402
  • 𝐐: U+1D410
  • 𝐙: U+1D419
  • 𝐍: U+1D40D

ボールドイタリック

  • 𝑹: U+1D479
  • 𝑪: U+1D46A
  • 𝑸: U+1D478
  • 𝒁: U+1D481
  • 𝑵: U+1D475

ボールド/ボールドイタリックの他の文字については、以下の「ボールド」「ボールドイタリック」にまとめています。

ヘブライ文字 Hebrew symbols

\aleph \, \beth \, \gimel \, \daleth

集合ついでに紹介しておくと、集合論 Set theory において濃度 Cardinality を表す時にはヘブライ文字のアレフ Aleph \aleph(\aleph)が用いられます。全ての自然数の濃度を表すアレフヌル aleph null \aleph_0\aleph_0と書きます。[2]\aleph_0をアレフゼロやアレフノートと読む時もあります

このように、数学で用いるヘブライ文字は以下の通りになります。

TeXSymbolName
\aleph\alephAleph
\beth\bethBeth
\gimel\gimelGimel
\daleth\dalethDaleth
  • ℵ: U+2135
  • ℶ: U+2136
  • ℷ: U+2137
  • ℸ: U+2138

その他にも、集合で使うTeX, LaTex 表現は別の記事にまとめています。(製作中)

ドイツ文字 Flaktur symbols

\mathfrak{ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ} \\
\mathfrak{abcdefghijklmnopqrtsuvwxyz}

数学で用いられるドイツの文字のことをフラクトゥール Flaktur symbolsと言います。大学数学で見かける機会は少ないかもしれませんが、リー代数 Lie Algebraなどでは「文字同士の関係」を表すためにアルファベットとそれに対応したフラクトゥールを使います。また、アルファベットやギリシャ文字では文字が足りなくなった時などにも使われます。

数学に関するフラクトゥールをLaTeXで書く場合は\mathfrak{}の中に対応するアルファベットを書きます。
例: \mathfrak{A}\mathfrak{A}

Capital Letter
大文字
Small Letter
小文字
発音
A a\mathfrak{A}\mathfrak{a}アー
B b\mathfrak{B}\mathfrak{b}べー
C c\mathfrak{C}\mathfrak{c}ツェー
D d\mathfrak{D}\mathfrak{d}デー
E e\mathfrak{E}\mathfrak{e}エー
F f\mathfrak{F}\mathfrak{f}エフ
G g\mathfrak{G}\mathfrak{g}ゲー
H h\mathfrak{H}\mathfrak{h}ハー
I i\mathfrak{I}\mathfrak{i}イー
J j\mathfrak{J}\mathfrak{j}ヨット
K k\mathfrak{K}\mathfrak{k}カー
L l\mathfrak{L}\mathfrak{l}エル
M m\mathfrak{M}\mathfrak{m}エム
N n\mathfrak{N}\mathfrak{n}エン
O o\mathfrak{O}\mathfrak{o}オー
P p\mathfrak{P}\mathfrak{p}ペー
Q q\mathfrak{Q}\mathfrak{q}クー
R r\mathfrak{R}\mathfrak{r}エル
S s\mathfrak{S}\mathfrak{s}エス
T t\mathfrak{T}\mathfrak{t}テー
U u\mathfrak{U}\mathfrak{u}ウー
V v\mathfrak{V}\mathfrak{v}ファオ
W w\mathfrak{W}\mathfrak{w}ヴェー
X x\mathfrak{X}\mathfrak{x}イックス
Y y\mathfrak{Y}\mathfrak{y}ユップスィロン
Z z\mathfrak{Z}\mathfrak{z}ツェット

ただお洒落でフラクトゥールを使い人は\frak{}を使いましょう。

数学ではあまり使われないと言う理由から、C, H, I, R, Z の大文字の数学用フラクトゥールにはUnicode が割り当てられていません。どうしてもC, H, I, R, Zのフラクトゥールを使いたいと言う方は、テキスト用フラクトゥールかボールドのフラクトゥールUnicode を使ってください。

Unicode:
𝔄𝔅𝔇𝔈𝔉𝔊𝔍𝔎𝔏𝔐𝔑𝔒𝔓𝔔𝔖𝔗𝔘𝔙𝔚𝔛𝔜
𝔞𝔟𝔠𝔡𝔢𝔣𝔤𝔥𝔦𝔧𝔨𝔩𝔪𝔫𝔬𝔭𝔮𝔯𝔰𝔱𝔲𝔳𝔴𝔵𝔶𝔷

AlphabetCapital LetterUnicodeSmall LetterUnicode
A a𝔄U+1D504𝔞U+1D51E
B b𝔅U+1D505𝔟U+1D51F
C c(ℭ)(U+212D)𝔠U+1D520
D d𝔇U+1D507𝔡U+1D521
E e𝔈U+1D508𝔢U+1D522
F f𝔉U+1D509𝔣U+1D523
G g𝔊U+1D50A𝔤U+1D524
H h(ℌ)(U+210C)𝔥U+1D525
I i(ℑ)(U+2111)𝔦U+1D526
J j𝔍U+1D50D𝔧U+1D527
K k𝔎U+1D50E𝔨U+1D528
L l𝔏U+1D50F𝔩U+1D529
M m𝔐U+1D510𝔪U+1D52A
N n𝔑U+1D511𝔫U+1D52B
O o𝔒U+1D512𝔬U+1D52C
P p𝔓U+1D513𝔭U+1D52D
Q q𝔔U+1D514𝔮U+1D52E
R r(ℜ)(U+211C)𝔯U+1D52F
S s𝔖U+1D516𝔰U+1D530
T t𝔗U+1D517𝔱U+1D531
U u𝔘U+1D518𝔲U+1D532
V v𝔙U+1D519𝔳U+1D533
W w𝔚U+1D51A𝔴U+1D534
X x𝔛U+1D51B𝔵U+1D535
Y y𝔜U+1D51C𝔶U+1D536
Z z(ℨ)(U+2128)𝔷U+1D537

Unicode: U+1D56C~U+1D59F
𝕬𝕭𝕮𝕯𝕰𝕱𝕲𝕳𝕴𝕵𝕶𝕷𝕸𝕹𝕺𝕻𝕼𝕽𝕾𝕿𝖀𝖁𝖂𝖃𝖄𝖅
𝖆𝖇𝖈𝖉𝖊𝖋𝖌𝖍𝖎𝖏𝖐𝖑𝖒𝖓𝖔𝖕𝖖𝖗𝖘𝖙𝖚𝖛𝖜𝖝𝖞𝖟

AlphabetCapital LetterUnicodeSmall LetterUnicode
A a𝕬U+1D56C𝖆U+1D586
B b𝕭U+1D56D𝖇U+1D587
C c𝕮U+1D56E𝖈U+1D588
D d𝕯U+1D56F𝖉U+1D589
E e𝕰U+1D570𝖊U+1D58A
F f𝕱U+1D571𝖋U+1D58B
G g𝕲U+1D572𝖌U+1D58C
H h𝕳U+1D573𝖍U+1D58D
I i𝕴U+1D574𝖎U+1D59E
J j𝕵U+1D575𝖏U+1D58F
K k𝕶U+1D576𝖐U+1D590
L l𝕷U+1D577𝖑U+1D591
M m𝕸U+1D578𝖒U+1D592
N n𝕹U+1D579𝖓U+1D593
O o𝕺U+1D57A𝖔U+1D594
P p𝕻U+1D57B𝖕U+1D595
Q q𝕼U+1D57C𝖖U+1D596
R r𝕽U+1D57D𝖗U+1D597
S s𝕾U+1D57E𝖘U+1D598
T t𝕿U+1D57F𝖙U+1D599
U u𝖀U+1D580𝖚U+1D59A
V v𝖁U+1D581𝖛U+1D59B
W w𝖂U+1D582𝖜U+1D59C
X x𝖃U+1D583𝖝U+1D59D
Y y𝖄U+1D584𝖞U+1D59E
Z z𝖅U+1D585𝖟U+1D59F

書体 Font

TeX, LaTeX やUnicode には、数学用の書体が用意されています。説明文などの中でベクトルやスカラー、集合などを表す文字用に使われることがあるので必要に応じて参照ください。

ボールド Bold

集合やベクトルをボールド体で書くことがあります。その時は\mathbf{}を使います。

\mathbf{abcdefghijklmnopqrstuvwxyz} \\
\mathbf{ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ}

Unicode: U+1D400 ~ U+1D432
𝐀𝐁𝐂𝐃𝐄𝐅𝐆𝐇𝐈𝐉𝐊𝐋𝐌𝐍𝐎𝐏𝐐𝐑𝐒𝐓𝐔𝐕𝐖𝐗𝐘𝐙
𝐚𝐛𝐜𝐝𝐞𝐟𝐠𝐡𝐢𝐣𝐤𝐥𝐦𝐧𝐨𝐩𝐪𝐫𝐬𝐭𝐮𝐯𝐰𝐱𝐲

Capital LetterUnicodeSmall LetterUnicode
𝐀U+1D400𝐚U+1D41A
𝐁U+1D401𝐛U+1D41B
𝐂U+1D402𝐜U+1D41C
𝐃U+1D403𝐝U+1D41D
𝐄U+1D404𝐞U+1D41E
𝐅U+1D405𝐟U+1D41F
𝐆U+1D406𝐠U+1D420
𝐇U+1D407𝐡U+1D421
𝐈U+1D408𝐢U+1D422
𝐉U+1D409𝐣U+1D423
𝐊U+1D40A𝐤U+1D424
𝐋U+1D40B𝐥U+1D425
𝐌U+1D40C𝐦U+1D426
𝐍U+1D40D𝐧U+1D427
𝐎U+1D40E𝐨U+1D428
𝐏U+1D40F𝐩U+1D429
𝐐U+1D410𝐪U+1D42A
𝐑U+1D411𝐫U+1D42B
𝐒U+1D412𝐬U+1D42C
𝐓U+1D413𝐭U+1D42D
𝐔U+1D414𝐮U+1D42E
𝐕U+1D415𝐯U+1D42F
𝐖U+1D416𝐰U+1D430
𝐗U+1D417𝐱U+1D431
𝐘U+1D418𝐲U+1D432
𝐙U+1D419𝐳U+1D432

ただの文字を太字にしたい時は\textbf{}を使いましょう。

イタリック Italic

ベクトルをボールド体で書く時は、スカラーをイタリック体で書きます。その時は\mathit{}を使います。

\mathit{abcdefghijklmnopqrstuvwxyz} \\
\mathit{ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ}

数学用イタリックアルファベットのh(ℎ)はプランク定数 Planck constant として、別にUnicodeに登録されています。

Unicode: U+1D434 ~ U+1D467
𝐴𝐵𝐶𝐷𝐸𝐹𝐺𝐻𝐼𝐽𝐾𝐿𝑀𝑁𝑂𝑃𝑄𝑅𝑆𝑇𝑈𝑉𝑊𝑋𝑌𝑍
𝑎𝑏𝑐𝑑𝑒𝑓𝑔𝑖𝑗𝑘𝑙𝑚𝑛𝑜𝑝𝑞𝑟𝑠𝑡𝑢𝑣𝑤𝑥𝑦𝑧

Capital LetterUnicodeSmall LetterUnicode
𝐴U+1D434𝑎U+1D44E
𝐵U+1D435𝑏U+1D44F
𝐶U+1D436𝑐U+1D450
𝐷U+1D437𝑑U+1D451
𝐸U+1D438𝑒U+1D452
𝐹U+1D439𝑓U+1D453
𝐺U+1D43A𝑔U+1D454
𝐻U+1D43B(ℎ)(U+210E)
𝐼U+1D43C𝑖U+1D456
𝐽U+1D43D𝑗U+1D457
𝐾U+1D43E𝑘U+1D458
𝐿U+1D43F𝑙U+1D459
𝑀U+1D440𝑚U+1D45A
𝑁U+1D441𝑛U+1D45B
𝑂U+1D442𝑜U+1D45C
𝑃U+1D443𝑝U+1D45D
𝑄U+1D444𝑞U+1D45E
𝑅U+1D445𝑟U+1D45F
𝑆U+1D446𝑠U+1D460
𝑇U+1D447𝑡U+1D461
𝑈U+1D448𝑢U+1D462
𝑉U+1D449𝑣U+1D463
𝑊U+1D44A𝑤U+1D464
𝑋U+1D44B𝑥U+1D465
𝑌U+1D44C𝑦U+1D466
𝑍U+1D44D𝑧U+1D467

ただの文字をイタリック体にしたい時は\textit{}を使いましょう。

ボールドイタリック Bold Italic

前述の通り、\boldsymbol{}を使います。\bmを使う場合はbmパッケージを使いましょう。(usepackage{bm})

\bm{abcdefghijklmnopqrstuvwxyz} \\
\bm{ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ}

Unicode: U+1D468 ~ U+1D49B
𝑨𝑩𝑪𝑫𝑬𝑭𝑮𝑯𝑰𝑱𝑲𝑳𝑴𝑵𝑶𝑷𝑸𝑹𝑺𝑻𝑼𝑽𝑾𝑿𝒀𝒁
𝒂𝒃𝒄𝒅𝒆𝒇𝒈𝒉𝒊𝒋𝒌𝒍𝒎𝒏𝒐𝒑𝒒𝒓𝒔𝒕𝒖𝒗𝒘𝒙𝒚𝒛

Capital LetterUnicodeSmall LetterUnicode
𝑨U+1D468𝒂U+1D482
𝑩U+1D469𝒃U+1D483
𝑪U+1D46A𝒄U+1D484
𝑫U+1D46B𝒅U+1D485
𝑬U+1D46C𝒆U+1D486
𝑭U+1D46D𝒇U+1D487
𝑮U+1D46E𝒈U+1D488
𝑯U+1D46F𝒉U+1D489
𝑰U+1D470𝒊U+1D48A
𝑱U+1D471𝒋U+1D48B
𝑲U+1D472𝒌U+1D48C
𝑳U+1D473𝒍U+1D48D
𝑴U+1D474𝒎U+1D48E
𝑵U+1D475𝒏U+1D48F
𝑶U+1D476𝒐U+1D490
𝑷U+1D477𝒑U+1D491
𝑸U+1D478𝒒U+1D492
𝑹U+1D479𝒓U+1D493
𝑺U+1D47A𝒔U+1D494
𝑻U+1D47B𝒕U+1D495
𝑼U+1D47C𝒖U+1D496
𝑽U+1D47D𝒗U+1D497
𝑾U+1D47E𝒘U+1D498
𝑿U+1D47F𝒙U+1D499
𝒀U+1D480𝒚U+1D49A
𝒁U+1D481𝒛U+1D49B

筆記体 Script & Calligraphic Font

教授/著者によっては筆記体を使うことがあります。その時はmathrsfsパッケージの\mathscr{}を使いましょう。

\mathscr{abcdefghijklmnopqrstuvwxyz} \\
\mathscr{ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ}

ボールドやイタリックに比べ、数学用の筆記体はだいぶ欠けている文字が多いです。欠けている箇所は「テキスト用筆記体のUnicode」 を書いています。

Unicode: U+1D49C ~ U+1D4CF
𝒜𝒞𝒟𝒢𝒥𝒦𝒩𝒪𝒫𝒬𝒮𝒯𝒰𝒱𝒲𝒳𝒴𝒵
𝒶𝒷𝒸𝒹𝒻𝒽𝒾𝒿𝓀𝓁𝓂𝓃𝓅𝓆𝓇𝓈𝓉𝓊𝓋𝓌𝓍𝓎𝓏

Capital LetterUnicodeSmall LetterUnicode
𝒜U+1D49C𝒶U+1D4B6
(ℬ)(U+212C)𝒷U+1D4B7
𝒞U+1D49E𝒸U+1D4B8
𝒟U+1D49F𝒹U+1D4B9
(ℰ)(U+2130)(ℯ)(U+212F)
(ℱ)(U+2131)𝒻U+1D4BB
𝒢U+1D4A2(ℊ)(U+210A)
(ℋ)(U+210B)𝒽U+1D4BD
(ℐ)(U+2110)𝒾U+1D4BE
𝒥U+1D4A5𝒿U+1D4BF
𝒦U+1D4A6𝓀U+1D4C0
(ℒ)(U+2112)𝓁U+1D4C1
(ℳ)(U+2133)𝓂U+1D4C2
𝒩U+1D4A9𝓃U+1D4C3
𝒪U+1D4AA(ℴ)(U+2134)
𝒫U+1D4AB𝓅U+1D4C5
𝒬U+1D4AC𝓆U+1D4C6
(ℛ)(U+211B)𝓇U+1D4C7
𝒮U+1D4AE𝓈U+1D4C8
𝒯U+1D4AF𝓉U+1D4C9
𝒰U+1D4B0𝓊U+1D4CA
𝒱U+1D4B1𝓋U+1D4CB
𝒲U+1D4B2𝓌U+1D4CC
𝒳U+1D4B3𝓍U+1D4CD
𝒴U+1D4B4𝓎U+1D4CE
𝒵U+1D4B5𝓏U+1D4CF

LaTeXで筆記体をボールドにするには、amsbsyパッケージのpmbコマンドを使えばそれっぽく見えます。しかし、実態は同じ文字を3つ重ねて擬似太字を演出しているだけなので、本記事では割愛します。

ボールド筆記体のUnicodeは、全ての数学用アルファベットに対応しています。

Unicode: U+1D4D0 ~ U+1D503
𝓐𝓑𝓒𝓓𝓔𝓕𝓖𝓗𝓘𝓙𝓚𝓛𝓜𝓝𝓞𝓟𝓠𝓡𝓢𝓣𝓤𝓥𝓦𝓧𝓨𝓩
𝓪𝓫𝓬𝓭𝓮𝓯𝓰𝓱𝓲𝓳𝓴𝓵𝓶𝓷𝓸𝓹𝓺𝓻𝓼𝓽𝓾𝓿𝔀𝔁𝔂𝔃

Capital LetterUnicodeSmall LetterUnicode
𝓐U+1D4D0𝓪U+1D4EA
𝓑U+1D4D1𝓫U+1D4EB
𝓒U+1D4D2𝓬U+1D4EC
𝓓U+1D4D3𝓭U+1D4ED
𝓔U+1D4D4𝓮U+1D4EE
𝓕U+1D4D5𝓯U+1D4EF
𝓖U+1D4D6𝓰U+1D4F0
𝓗U+1D4D7𝓱U+1D4F1
𝓘U+1D4D8𝓲U+1D4F2
𝓙U+1D4D9𝓳U+1D4F3
𝓚U+1D4DA𝓴U+1D4F4
𝓛U+1D4DB𝓵U+1D4F5
𝓜U+1D4DC𝓶U+1D4F6
𝓝U+1D4DD𝓷U+1D4F7
𝓞U+1D4DE𝓸U+1D4F8
𝓟U+1D4DF𝓹U+1D4F9
𝓠U+1D4E0𝓺U+1D4FA
𝓡U+1D4E1𝓻U+1D4FB
𝓢U+1D4E2𝓼U+1D4FC
𝓣U+1D4E3𝓽U+1D4FD
𝓤U+1D4E4𝓾U+1D4FE
𝓥U+1D4E5𝓿U+1D4FF
𝓦U+1D4E6𝔀U+1D500
𝓧U+1D4E7𝔁U+1D501
𝓨U+1D4E8𝔂U+1D502
𝓩U+1D4E9𝔃U+1D503

また、\LaTeXでは\mathcal{}というものがあるので変数や関数を表す際にこのフォントが好みならこちらを使ってもいいかもしれません。よくラプラス変換 Laplace transform 関数[3]\mathcal{L} \{e^t\}=\frac{1}{s-1}\mathcal{L}で使われています。

\mathcal{abcdefghijklmnopqrstuvwxyz} \\
\mathcal{ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ}

その他にもパッケージを追加することによって、自分好みの書体を見つけることができるかもしれません。

Q&A

∀ ∃ ⊂ ∈ ∴ ∵ を入力したい

数学では、論理学で用いられる記号を使うことがあります。論理学で用いられる記号は別記事にまとめていますが、よく使われる記号は以下の通りです。

SymbolTeXSmall Letter
\forall\forall全ての
Aを180°反転した形
\exists\exists
\exist
存在する
Eを180°反転した形
\isin\isin
\in
x \isin A
xはAの要素である
\subset\subsetA \subset B
AはBの部分集合である
\therefore\therefore従って
\because\becauseなぜなら
\implies\impliesA \implies B
AならばB
\iff\iff
(if and only if)
A \iff B
AならばBかつ、BならばA

使用例

\forall x \isin \mathbb{R}

TeX: \forall x \isin \mathbb{R}
意味: 全てのxは実数である For all x is in the set of real numbers

\exists x \isin \mathbb{N}

TeX: \exists x \isin \mathbb{N}
意味: 自然数であるxは存在する There exists a variable x in the set of natural numbers

虚数単位𝒊、ネイピア数𝒆を入力したい

TeX, LaTeXで入力したいときは、そのままieと入力して構いません。
Unicode で入力したい場合は、イタリック𝑖, 𝑒 かボールドイタリック𝒊, 𝒆 で表示すれば良いと思います。

プランク定数ℎ, ディラック定数ℏを入力したい

普通のプランク定数 Prank constant は、TeX/LaTeXならそのままhを、Unicodeならℎ (U+210E)を使います。

プランク定数を2𝜋で割ったディラック定数 Dirac constant は、TeX/LaTeXなら\hbar(\hbar)か\hslash(\hslash)を、Unicodeならℏ(U+210F)を使います。
形をUnicode に合わせるなら\hslashが好ましいですが、発音通り\hbarを使った方がわかりやすい人もいるようです。

線分を表すℓ、昔のリットル単位を入力したい

TeX, LaTeXなら\ell、Unicode ならℓ(U+2113)を使いましょう。

\ell_1 \perp \ell_2

TeX: \ell_1 \perp \ell_2
意味: 二つの線\ell_1, \ell_2垂直 perpendicular に交わっている


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Terminology

Terminology
1 bbbじゃんとか言わないでください。僕もよくわかりません。
2 \aleph_0をアレフゼロやアレフノートと読む時もあります
3 \mathcal{L} \{e^t\}=\frac{1}{s-1}

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